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犬の献血バスの運用

今回紹介する論文は犬の献血バスの運用に関するもので、韓国の建国大学がヒュンダイ社のソラティという15人乗りくらいのサイズの車両をベースに犬用の献血バスを作製しています。トヨタ社のハイエースより一回り大きい全長約6mの車両のようなので、献血件数を重視する場合は手狭であったようですが、献血バスの導入としては必要十分であったように筆者たちも述べています。今後、日本においても犬の献血バスが稼働するようになる日が来るかもしれませんので、皆さまもぜひご覧ください。

(担当: 瀬川)


アジア初となる犬の献血バスの運用


著者: Hee-Jae Choi, Hyun-Jung Han.


掲載誌: Front Vet Sci. 2024 Jul 12:11:1402459. PMID: 39071785


緒論: 献血バスがあれば様々な場所で献血できるようになるが、獣医療において献血バスの運用に関する報告はみられていない。そこで、アジア初となる犬の献血バスを韓国で試験的に稼働させ、一定の知見が得られたので報告する。


方法: 車両前部を検査室、後部を献血室として献血バスを作製し、ドナー犬を公募するためにテレビやソーシャルメディアを通じて宣伝活動を行った。ドナー犬の条件としては、年齢2-8歳、体重25kg以上、混合ワクチン接種、フィラリアおよびノミ・ダニ予防を定期的に行っていることとした。そして各種スクリーニング検査後にインフォームドコンセントを得て、献血採血を実施した。献血後は合併症の有無の確認と飼い主への聞き取り調査を行った。


結果: 750件の応募の中から、ドナー犬48頭を調査対象とした。しかしながら、2頭は性質的に採血困難、5頭はベクター媒介性疾患陽性、2頭が採血ライン内の血液凝固により採血中止、1頭は当日キャンセルとなり、合計10頭が最終的に除外された。献血に要した時間は約12分であったが、献血前の検査から含めるとドナー1頭につき所要時間は1.5時間程度であった。血液型の頻度はDEA1陰性が32.6%、陽性が67.4%であった。献血に関連した合併症はほとんどみられなかったが、1頭だけ剃毛による皮膚炎を認めた。飼い主への聞き取り調査は46人で実施し、多くは今回の取り組みに対して充分に満足した様子であった。特に過去の医学における報告と同様に献血バスの利便性への評価は高く(93.5%)、次回もこのような機会があれば参加したいという飼い主は多かった(95.7%)。


結論: 献血バスの運用は犬においても有用であることが明らかであり、今後さらに大きな車両を手配するなどインフラ整備に努めることが期待される。そもそも犬の献血に対する認知度はまだ低いが、今後も啓蒙活動を進めていくことで獣医療において安定した献血制度が築かれることを強く願う。

 
 
 

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2件のコメント


内田恵子
4月29日

韓国の献血バスについてのコメントです

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内田恵子
4月29日

献血バスを運用に際し750頭の応募が合ったというのは驚きだった。48頭に実際に実施が試みられたがその中でも事前に感染症を調べていたことは丁寧な方法だと思った。人間の場合感染症などは事前に検査されるのでは無く、献血者の状態が良好ならば採血はされ、集積施設に於いて検査が行われるシステムであるから。今後検討はされるべきとは思うが、採血後の血液の扱いに関しても日本での法的な制限がどのように捉えられるのかが気になった。

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日本獣医輸血研究会 事務局

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