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犬の血液型Kai1とKai2

これまで新しい血液型としてDalについては何度か取り上げたことがありますが、Kai1とKai2について取り上げたことがありませんでした。2017年に韓国の研究者が発見した血液型であり、Kaiとは韓国語で犬のことを指すそうです。この血液型は異型輸血により同種抗体が産生されることから、2回目以降の輸血では溶血性輸血反応を生じる恐れのある抗原として重要視されています。また、モノクローナル抗体が作製されたことでその後もアメリカやドイツで調査が進んでおり、いまやDEA、Dalに次いで有名な血液型と言えるのではないでしょうか。残念ながら日本国内で判定することはできませんが、ぜひ知識として把握しておきましょう。

(担当: 瀬川)


新しい犬の赤血球型Kai1とKai2に対するモノクローナル抗体の作製およびその特徴


著者: Jae Ho Lee, Urs Giger, Hee Young Kim


掲載誌: PLoS One. 2017 Jun 29;12(6):e0179932. PMID: 28662180


背景と目的: 犬の血液型は他家輸血で感作されることにより発見され、輸血用血液の適合性を判断する上で臨床的に重要視されているが、いまだ未解明な部分は多い。そこで本研究の目的は、Kai1およびKai2と命名した新しい犬の血液型の詳細を解析することとした。


方法: マウスのハイブリドーマ技術を用いてKai1およびKai2に対するモノクローナル抗体を作製し、ELISA、ウェスタンブロット、アフィニティークロマトグラフィーによりその性質を評価した。そしてKai1およびKai2陰性犬に同抗原陽性血を輸血することで、抗Kai1/Kai2抗体が産生されるかどうかを確認した。


結果: Kai1のモノクローナル抗体は軽鎖がκ(カッパ)型のIgM、Kai2のモノクローナル抗体は軽鎖がλ(ラムダ)型のIgG3であり、それぞれ分子量200kDaと80kDaの異なる赤血球膜蛋白に対して反応を示していた。Kai1とKai2を両方とも発現している犬はみられず、Kai1およびKai2に対する自然抗体を有する犬はいなかった。また、Kai1陰性あるいはKai2陰性犬に対して異型の血液を輸血すると抗Kai1あるいはKai2抗体が産生された。


結論: Kai1およびKai2は新しい犬の血液型であり、異型輸血後に抗Kai1/Kai2抗体が産生されることを確認した。したがって、これまで報告された血液型に依らない交差適合試験の不適合および輸血反応発生リスクの観点から、Kai1およびKai2は臨床的意義が高いものと考えられる。

 
 
 

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