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Dal陽性率の国による違い

2025年10月27日
読了時間: 3分

今回紹介させていただく論文は犬の赤血球抗原に関するもので、韓国の犬105頭を対象に、Dal、DEA1、DEA4抗原の陽性率を調査した研究です。Dal抗原は比較的最近になって注目されている犬の血液型の一つで、多くの犬が陽性ですが、Dal陰性の犬が陽性血を輸血されると、抗体を産生し次回の輸血で重篤な反応を起こす可能性があると言われています。

この研究では、これまでの報告では多くがDal陽性とされていたラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーなどにもDal陰性の個体が見られ、DEA4陰性も複数認められました。そもそも欧米と比較してDalやDEA4の陽性率が低い傾向にあり、地域差が存在していると示唆されます。

現時点で日本においてDalやDEA4を判定することはかないませんが、今後、日本国内のドナー選定や輸血前検査においても、DalやDEA4の評価が重要になる可能性があることを考えさせられる内容です。ぜひご覧ください。

(担当: 中村)


韓国におけるドナーおよびレシピエント犬のDal、DEA1、DEA4の陽性率


著者: Hyouju Kim, Hyun-Jung Han.


掲載誌: BMC Vet Res. 2025 Aug 1;21(1):500. PMID: 40751147


背景: 韓国では特に犬において輸血の需要が増加している。犬赤血球抗原(DEA)1は急性溶血性輸血反応の主要な抗原として有名であるが、過去の研究ではDEA4やDal抗原も急性溶血性輸血反応の抗原になる可能性が指摘されている。しかし、韓国ではこれらの重要な抗原に関する研究が欧米に比べて限られており、輸血リスクに関して欧米との知識格差が生じている。そこで本研究では、ソウルのドナーおよびレシピエント犬におけるDal、DEA1、DEA4の陽性率を調査することを目的とした。


方法: 2023年4月から9月にかけて、建国大学附属動物病院に入院したレシピエント犬およびドナー犬の合計105頭から残余血液サンプルを収集し、DEA1はイムノクロマト法、DalおよびDEA4はカード凝集法で判定した。


結果: 105頭のうち74頭(70.48%)がDEA1陽性、97頭(92.38%)がDEA4陽性、81頭(77.14%)がDal陽性であったが、ラブラドール・レトリーバー(9頭)、ゴールデン・レトリーバー(5頭)、シェパード、シベリアン・ハスキー、アメリカン・ブリー、ミニチュア・プードル、豊山犬(朝鮮原産の狩猟犬)などこれまでDal陰性の報告がなかった犬種で複数のDal陰性犬の存在が確認された。同様に、ラブラドール・レトリーバー3頭、ゴールデン・レトリーバー3頭、サモエド、ドーベルマン・ピンシャーがDEA4陰性であり、特に大型犬ではいずれの血液型も陽性率が低い傾向にあった。本研究におけるDEA1の陽性率(70.48%)は過去の研究と一致していたが、Dal(77.14%)およびDEA4(92.38%)の陽性率は欧米で報告されている陽性率(Dal: 89.3-100%、DEA4: 98.8-100%)よりも低い結果であった。特に本研究で最も多く検査されていたラブラドール・レトリーバーでは陽性率が低く、ソウルにおけるドナー犬として適している可能性が示唆された。


結論: これまでのDEA1、DEA4およびDalの陽性率は主として欧米のデータに基づいているため、地理的に離れている韓国では陽性率が異なる可能性が示唆された。

 
 
 

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