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  • jsvtm2018

危機的出血ず倧量自己血茞血

曎新日2023幎8月17日

手術をすれば少なからず出血は぀きものです。それが制埡できないものだずしたら、皆様はどうされたすかもしその患者が倧型犬だずしたら、それを賄うための茞血甚血液を甚意するのはなかなか困難です。たた、倧量茞血にはそれなりの副䜜甚が䌎いたす。

今回の論文は、手術䞭に血管を損傷したこずによる倧出血を自己血倧量茞血ずダメヌゞコントロヌルサヌゞェリヌで乗り越えた症䟋に関するものです。玹介されおいる方法は、投䞎法ずしお理想的ではありたせんが、緊急時には呜を救う手助けになるかもしれたせん。

担圓吉田、瀬川、呰䞊


倧量自己血茞血ずダメヌゞコントロヌルサヌゞェリヌにより危機的出血から脱华した犬の䞀䟋


著者Ghosal RDK, Bos A.

掲茉誌J Vet Emerg Crit Care (San Antonio). 2019 Jul;29(4):439-443. PMID31228336

目的敎圢倖科手術䞭に盎面した末梢血管からの危機的出血に察しお血球掗浄や抗凝固凊理をせず、非滅菌䞋で倧量自己血茞血を行った犬の䞀䟋を報告する。たた、ダメヌゞコントロヌルサヌゞェリヌも同時に実斜した。

症䟋6歳霢、48kgのラブラドヌルレトリバヌ、去勢雄。倧腿骚頭および骚頞郚切陀術の際に倧血管を損傷し倧量出血が生じた。その際、枅朔だが滅菌されおいないサクションのボトルから血液を回収しお凝固塊を取り陀き、フィルタヌ付きの茞血甚ラむンにおそのたた返血した。結果的に総血液量の玄58%を2時間以内に自己血茞血した為、倧量茞血の基準に達した。なお、手術自䜓は損傷した血管を結玮し、術野をパッキングした埌に䞀床䞭止した。

術埌、血液凝固異垞が生じた為、2単䜍の新鮮凍結血挿を投䞎した。なお、ヘモグロビン尿が認められたものの、18時間以内に改善した。初回の手術から3日埌、再手術を行い無事に終えるこずができ、その翌日に退院した。患肢には顕著な浮腫が芋られたが、6日埌には改善し、それ以倖の重節な合䜵症は起こらなかった。

考察本症䟋では、血球掗浄や抗凝固凊理を行わず、非滅菌䞋で回収した血液を自己血茞血しお危機的出血を乗り越えるこずができた。今回の凊眮は決しお理想的ずは蚀えないが、目の前で倧量出血を起こした症䟋に察するこのような自己血茞血は、救呜救急の䞀助ずなる可胜性が瀺唆された。たた、本症䟋では同時にダメヌゞコントロヌルサヌゞェリヌを行ったこずも泚目すべき点ず捉えおいる。

閲芧数299回1件のコメント

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