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  • jsvtm2018

献血ドナヌリクルヌトの障壁

犬や猫における献血を成功に導くために、たずはご家族の献血に察する認知床を高める必芁があるこずは以前のJournal clubで玹介させお頂きたした。今回は同じ研究グルヌプが、ドナヌの継続性に関しお䜕が障壁ずなっおいるのかを解析した報告です。

以䞋に瀺したAbstractの䞭では倧たかな分類でしか瀺されおいないのですが、ドナヌ登録や継続がうたくいかない理由ずしお「疟病によるもの」は肝疟患、心疟患、慢性腎臓病、アトピヌ性皮膚炎が倚く、「動物のキャラクタヌによるもの」は犬で興奮、猫では攻撃性が倚かったようです。たた、「ご家族の事情によるもの」には転居や音信䞍通が倚いものの、䞀時的な䜓調䞍良のはずがそのたたドナヌずしお戻っおこなかったケヌスも倚かったようです。

疟病によるドナヌ登録や継続断念は臎し方ないものですが、動物のキャラクタヌによっおは銎化によっお献血できるようになるこずもあったり、ご家族の転居など地理的な障壁に関しおはシステム䞊の察策で察応可胜になる可胜性もあるこずを筆者たちは指摘しおいたす。フリヌアクセスで本文も読むこずが出来たすので、ぜひご䞀読ください。

担圓: 瀬川


コホヌト研究からみえた犬ず猫のドナヌが献血しない理由


著者: Marjanne Descamps, Karen Humm


掲茉誌: Vet Rec. 2023 Jul 22;193(2):e2993. PMID: 37183182


背景: 医孊においおは献血ドナヌの遞定ならびに継続性に関する詳现な研究がなされおいるが、獣医療においおそのような研究は非垞に限られおいる。そこで本研究の目的は、犬ず猫のドナヌ登録ができない理由や継続を断念する理由を分析するこずずした。


方法: 2014-2019幎の間に新芏にドナヌ登録あるいは献血を実斜した犬および猫に関するデヌタを研究察象ずした。ドナヌ登録時に断らざるを埗ない理由を「疟病によるもの」ず「動物のキャラクタヌによるもの」に分類し、幎霢以倖のドナヌ継続断念に関する理由はさらに「ご家族の事情によるもの」も含めお調査した。


結果: 犬362頭、猫134頭のデヌタを評䟡したずころ、ドナヌ登録時に猫は20.8%、犬は5.2%が䞻に疟病による事情で断らざるを埗なかった。ドナヌ継続を断念する理由ずしおは、犬猫共に動物のキャラクタヌによるものが倚かったが、ご家族の事情によるものず疟病によるものも比范的倚く認められた。


研究の制玄事項: 動物のキャラクタヌは各担圓者の䞻芳的評䟡に基づくものであるこずから、実際にドナヌずしお䞍適圓であったかどうか定かではない点に泚意が必芁である。


結論: 動物のキャラクタヌや疟病による献血困難はしばしば遭遇するため、献血ドナヌを呌びかける䞊では䞀定数がドナヌずしお䞍適圓ずなっおしたうこずを十分理解しおおく必芁がある。たた、献血に察するご家族の理解ずモチベヌションの維持はドナヌプログラムを運営しおいく䞊で必須であり、ドナヌリクルヌトのコストを抑える点においおも重芁ず思われる。

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