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Dal抗原によるクロスマッチ䞍適合

曎新日2023幎8月17日

昚幎12月にDal抗原のモノクロヌナル抗䜓が開発されたこずを蚘事にしたしたが、今月はDal抗原に関しおだいぶ苊劎されおいる症䟋報告を玹介したいず思いたす。2回目の茞血前のクロスマッチにおいお、なんず10頭以䞊ずクロスマッチしおようやく適合ドナヌが2頭だけみ぀かったそうですが、その原因は症䟋がDal陰性だったからずいう報告です。

皆様も耇数回目の茞血時、DEA1.1は適合させおいるはずなのにクロスマッチがあわない、ずいうような経隓があるのではないでしょうかDalは日本では刀定できない血液型であるだけに、知識ずしお把握しおおかないず説明の぀かない茞血副反応に遭遇する危険性がありたす。特に日本でも人気犬皮であるシヌズヌはDal陰性の確率が高いずされおいたすので、ご泚意ください。

担圓: 瀬川


フォンりィルブランド病ず゚ヌリキア症に眹患したDal陰性ドヌベルマンにおけるクロスマッチ䞍適合


著者: Andreza Conti-Patara, Thandeka R Ngwenyama, Linda G Martin, K Jane Wardrop.


掲茉誌: J Vet Emerg Crit Care (San Antonio). 2021 Mar;31(2):274-278. PMID: 33119193


目的: フォンりィルブランド病、゚ヌリキア症、非再生性貧血、そしおDal抗原によるクロスマッチ䞍適合を呈した重症䟋の経過を述べるこずを目的ずした。


症䟋抂芁: 13週霢、未去勢、䜓重7.2kgのドヌベルマンが出血傟向ならびに進行性の非再生性貧血を䞻蚎に救急蚺療科ぞ来院した。なお、重節な貧血により来院8日前に新鮮党血茞血を実斜されおいた。来院時は頻拍か぀可芖粘膜色が蒌癜であり、CBCではPCV11%ず非再生性貧血を呈しおいた。犬皮からフォンりィルブランド病であるこずが疑われ、埌になっおフォンりィルブランド病であるこずを確認した。症䟋の血液型はDEA1.1陜性であったが、DEA1.1陜性、陰性の赀血球補剀を4怜䜓甚意しおも、すべおクロスマッチ䞍適合の結果であった。そこで、Dal抗原に察する同皮抗䜓を有しおいるこずが疑われ、11頭のダルメシアンずドヌベルマンをドナヌずしおクロスマッチを行ったずころ、そのうち2頭だけが適合ずなった。そのドナヌからの献血により特に問題なく新鮮党血茞血を行うこずができ、骚髄怜査により骚髄の现胞充実床の䜎䞋、赀芜球系䜎圢成の結果を埗た。たた、SNAP4DxPlusおよびPCR怜査によりEhrlichia ewingii、E. canisが陜性であった為、ドキシサむクリンによる治療を開始した。退院時のPCVは17%、さらに䞀週間埌の再蚺時にはPCV24%たで改善し、䞀般状態は良奜であった。


症䟋から埗られた知芋: 本症䟋はフォンりィルブランド病による出血傟向、゚ヌリキア症による非再生性貧血、そしおDal抗原によるクロスマッチ䞍適合など、耇数の難解な病態を呈しおいた。ドヌベルマンはフォンりィルブランド病やDal陰性である可胜性が盞察的に高く、クロスマッチを実斜するこずや犬皮による血液型抗原の保有率の違いを把握しおおくこずの重芁性が再認識された。


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